QUIZ 薬剤師さんなら簡単?ちょいむず?

ワルファリン服用中の抜歯。服用はやめる?やめない?

「循環器疾患における抗凝固・抗血小板療法に関するガイドライン」などで中止による原疾患の悪化や血栓塞栓症の発症を避けるために、内服継続下での処置が推奨されています。

抜歯時の抗血症板薬・抗凝固薬の服用については、以前は中止(休薬)が行われていましたが、最近は「循環器疾患における抗凝固・抗血小板療法に関するガイドライン」などで中止による原疾患の悪化や血栓塞栓症の発症を避けるために、内服継続下での処置が推奨されています。
(体表の小手術(皮膚疾患等)で、術後出血が起こった場合の対処が容易な場合も同様です。)
※内視鏡や大手術の場合は、従来どおり一時休薬が必要です。
抗凝固療法を突然中止すると、リバウンド現象として一過性に凝固系が亢進し、血栓塞栓症を誘発する可能性が示唆されています。過去の報告をまとめた研究によれば、ワルファリン休薬100回につき約1回の割合で血栓塞栓症が発症するそうです。
PT-INR2.0~4.0であれば、ワルファリン継続下でも重篤な出血性合併症を伴わずに抜歯できることが前向き研究で示されています。また、INR2.5以下での抜歯を勧める報告もあります。
いずれにしても、抜歯については、原疾患に対する至適治療域にコントロールした上で、内服継続下での施行が望ましいとされています。ただし健常人に比べると止血はやはり難しいので、低侵襲的な抜歯や適切な止血処置が必要になります。
服用を中止せず抜歯をすることが推奨されてはいますが、上述のように健常人と比較して止血は難しく、医師・歯科医師間で連絡を取り合うことが重要です。
2009年11月に、日本医療機能評価機構より、必要な患者情報の確認が十分されないまま抜歯が行われ、出血が止まらず再縫合を2回行ったうえに、翌日患者さまに貧血が生じ輸血療法等を受けた事例が報告されました。中止せずに抜歯を行う場合が多いとはいえ、何の確認もなく内服を継続してよいものではありませんので、患者さまへの情報提供は従来どおり実施してください。

参考文献:Circulation Journal Vol.68,Suppl.Ⅳ,2004

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